飛騨家具体験紀行【前編】

初めての体験

はじめまして、ライムズデザインスクエアの前田です。
私は以前、建築設計事務所で働いており、3カ月ほど前にライムズに転職してきました。

今回は、そんな入社して3カ月目の家具に関して素人同然の私が、飛騨高山にて行われた飛騨の家具産地巡りに行ってきましたのでその時の体験についてお話ししたいと思います。

飛騨高山

飛騨は豊かな森林文化を育み、飛鳥時代より奈良や京都の寺社仏閣建築の担い手である「飛騨の匠」と呼ばれる職人集団を生んでいます。


木に対する心と技を受け継いでいる神秘的な地域です。

今では家具づくりは地場の基幹産業であり、世界的な家具ブランドも輩出している日本の中でも屈指の家具産地です。
私は岐阜県の可児市出身ですが、飛騨がこんなにも家具作りが盛んな地域だということを初めて知りました。

日進木工

まずは日進木工という歴史のある家具メーカーのショールームに立ち寄りました。

同じ岐阜県でも高山市内は私たちのお店のある大垣市より1~2℃ほど気温が低く、車を降りると鼻先にツンと冷たい空気が抜ける感覚がありました。

ショールームには何回も来ているスタッフもいますが、私はもちろん初めての来場で、その冷たい空気感も相まってより身が引きまる気持ちでショールーム内に入りました。

日進木工は、今年で創立78年を迎える老舗家具メーカーとして支持され続けており、変えるべきものと、変えてはいけないものの双方を追求することで製品の開発を行ってきた飛騨の名門家具メーカーです。

そんな日進木工の家具は、「家具が自己主張する空間ではなく、人が心地よく過ごせる空間を作りたい」という想いから生まれており、一見華奢に見えますが、非常に丈夫な構造になっていることが特徴です。

私は、椅子の背もたれ部分の滑らかな曲線にお客様の利用の仕方まで考えられた思いやりの心が見えると感じました。

ショールーム内は広く、多くのバイヤーがそれぞれのブースで商談をしたり、新作の家具を見ていました。
東側にある大きな窓からはやさしい自然光が差し込み、日進木工の線のきれいな家具が美しくたたずんでいました。

家具は人間の体の形に合うように、人間工学を考慮してデザインされているとのことで、「見た目だけではなく使い勝手や実用性も兼ね備えた製品開発がされている」ことを日進木工の岩辺さんという女性スタッフの方から教えていただきました。

日進木工の工場

日進木工さんではショールームだけでなく、工場の見学もさせていただきました。
木材を乾燥させるところから一つの家具として出来上がっていくところまでの過程を見せていただくことができました。


金属部品を使わず、留め具まで木材を使用していること、手作業でミリ単位の調整を行っていること。

完成された家具だけを丁寧に扱うのではなく、
構成するパーツ一つ一つに対して丁寧な扱いを心がけていて、木材同士がぶつかる音がせず、研磨する機械の音のみが響いていました。
研磨する機械の音が鳴り響く中で、ひたすら集中を研ぎらすことなく作業を続けられる職人の方々の集中力と忍耐強さも見学することができました。

飛騨家具の代表的な技法のひとつである「曲木」(まげき)も見学することができ、蒸気を立ち込める中木材が蒸されていく様子は、飛騨のツンとした空気感も相まって神秘的な儀式のようにも感じました。

日進木工さんの椅子は、一脚6万円前後するものもたくさんあるということですが、飛騨の歴史あるものづくりの裏側を見ることができて、その製品の値段以上の価値がある気がしました。

~後編に続く 後日公開予定~


LIMES本店 前田

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