ライムズではアートギャッベという手織りの工芸品の絨毯を取り扱っております。
草木染された上質なウールを使い、
一枚一枚緻密に織り上げられた絨毯は、一年中を通して快適に過ごすことが出来、
柔らかい肌触りとクッション性は靴を脱いで床でくつろぐ日本の暮らしには最適な道具です。
また一点一点が手織りのため絵画のように楽しむことができます。
ライムズでは、高いアート性と最高品質の織りのギャッベだけをセレクトし、展示しています。
「ギャッベ」とは、南ペルシャの遊牧民族・カシュガイ族によって織り続けられている手織りの絨毯の事です。高地で遊牧民と生活を共にしている上質な羊の純毛を刈り取り、手で紡ぎ、大地の恵みの草木で染め上げており、一点一点、丹精込めて織られているため、何十年と使い込むほどに表情を変え、味わい深く成長していきます。
そして、ギャッベの中でも、日本人の心の奥深くに響く、色鮮やかな色合いや質感と個性豊かなアート性。驚くほど柔らかな肌触り、気持ちよさ、そして世界に一点しかないというオンリーワンの価値、それが「アートギャッベ」です。
歩くたびに、風が吹くたびに、長いドレスが宙を舞う。周囲の大地に色彩を感じさせるものが少ないだけに、女性の衣装はひときわ目立つ存在。彼女たちのすばらしい色彩感覚はギャッベに遺憾なく発揮されます。心に感じたインスピレーションで着る服を組み合わせるように、ギャッベの色の組み合わせは彼女たちの心その物だと思います。同じ大地に群れ咲く花々を見ても、人それぞれ感じ方が違うように、自然界にある様々な物、さまざまな色が一枚の絨毯に織られていきます。まさに「自然は世界一のデザイナー」。彼女たちの自由でワクワクする色彩感覚を存分に楽しむことにしましょう。
ギャッベが人気の理由 「お部屋を彩る豊かな色彩」
アートギャッベの豊かな色合いや質感は、新築から住み慣れた家までどんな住まいにも似合い、普段の見慣れた室内も明るく綺麗でワクワクする雰囲気を作ってくれます。
アートギャッベの基本カラーは赤、緑、黄、茶、青色の5色。中でも赤色は日本でも人気のある色です。実を言うとカシュガイの民はそれぞれの色に対して特別意味を持たせているわけではありません。その中で例外が、「赤」すなわち「茜」色です。電気や水道もなく、毎日十数キロを歩き水を汲み、オオカミから財産の羊や家族を守りながら暮らす大自然の厳しい遊牧生活。無事に一日を終え、夕焼けによって染まる大地の茜色を彼らは「生命の色」と意味づけました。「悲しみを忘れるために織り、喜びを忘れるために織る」生命と自然の森羅万象を感性豊かな心でとらえ、表現するカシュガイ女性の魅力が「茜」色のアートギャッベには詰まっているのかもしれません。
羊毛の刈り取りは男の仕事。春と秋の年2回行いますが、上質なのは春。雨が滅多に降らず荒々しい岩肌が見える高地の厳しい冬を越えた毛は、細く長く柔らかく、油分も多く上質です。高く売れる春毛は遊牧民の大切な現金収入のひとつ。そんな上質な羊毛の刈り取りは、家族にとってもうれしい祝い事のひとつ。その日はシシカバブを焼き親戚を招いてにぎやかに過ごします。
ギャッベが人気の理由 「一年中通して心地いい肌触り」
アートギャッベに使われる上質な羊毛は、匂いがなくツヤもあり美しくサラサラしています。冬はふんわり暖かい心地よさ、夏はサラサラした涼しい心地よさ。一年中気に入ってお使いいただけます。
赤ちゃんがやっとお座りできるころになると、母親が一日の多くの時間を過ごすギャッベの織り機の上が遊び場になります。テントを張って暮らす山や原野には今でも狼が生活しており羊やヤギを狙って周りをうろついたりします。そんな中、無力な子供を外で遊ばせるわけにはいかず、親の目の届くところで世話をします。ギャッベの横糸を絞めるくしのような道具「シャーネ」のシャーンシャーンという音色を子守歌に子供たちは成長していきます。5、6歳になれば母親の織り機のわきに、自分の体の大きさに見合ったおもちゃのような織り機を作ってもらいままごとのギャッベ織を始めます。自然に文様や織り方を覚え、難しい技術は母親が手を取って教えます。目の細かいやさしい肌触りを実現する確かな「織の技術」はこうやって伝えられていきます。
ギャッベが人気の理由 「気兼ねなく永く使える丈夫さ」
とても細かく目が詰まった織のため、絨毯の上に落ちたごみも中まで入っていきにくく、普段のお手入れは掃除機をかけるだけで綺麗に使えます。へたりにも強く、気兼ねなく長く丈夫にお使いいただけます。
カシュガイの民がギャッベを織る糸の色彩は古来から草木染めを行ってきました。そんな彼らが草木染めを全くしなくなった時期があります。簡単に早く色を出す化学染料が出回り、カシュガイの民もその魔法の染料を取り入れ一時はほとんどのギャッベに化学染料が使われました。この流れを断ち切ったのがゾランヴァリです。彼が村を回って収集した草木染めのギャッベはヨーロッパで「アート性の高いラグ」として評判を得ていました。ギャッベの古来からの本当の魅力にいち早く気づき草木染の復活に力を尽くした彼の先見の明がなければ、ギャッベはこれほどまでに現代人の心をとらえる絨毯になることはなかったでしょう。
ギャッベが人気の理由 「時がたっても色あせない美しさ」
ほとんどが草木染の糸で織りあげられているアートギャッベは長年使っても色あせず、使うほどに味わいを増していきます。また天然染料なので寝転んだ時にも安心してお使いいただけます。
一言で「ギャッベ」と言ってもインド製、中国製、パキスタンで織って仕上げだけイランで行ったもの(一般にはイラン製と呼ばれる)など、日本に流通しているギャッベと呼ばれる絨毯はその品質の製造過程も様々です。つまり羊毛で柄の雰囲気がギャッベのようであれば、すべて「ギャッベ」と呼ばれてしまいます。
ライムズの「ギャッベ」は、何千枚ものギャッベを見てきた日本人のギャッベマイスターの手により厳選された品質・デザインの物のみを取り扱っています。
南ペルシャの遊牧民族によって織られた本物であることはもちろん、その肌触りや織り、仕上げのクオリティも最高品質です。
ギャッベの魅力のひとつとして、その生命力あふれるデザインや彩りの良さがあります。時には懐かしさを感じ、時には価値観の広がる豊かさを感じていただきたい。ライムズでは人気のある柄だけではなくギャッベ本来の魅力と品質を重視した様々な柄をご用意しています。
土足で使用する海外と、寝転んで使用することもある日本とではギャッベの品質に対する認識が違います。ギャッベは織りによって毛が抜けるものも多くありますが、日本人がストレスなく使える品質という基準で日本人のギャッベマイスターが入念にセレクトしています。最初の数年は多少は抜けますが、使うにつれて次第に落ち着いていきます。
日本人の多くが絨毯に求めること、それは「肌ざわり」ではないでしょうか。“せっかく買う一枚のギャッベを、最高に気に入って使い続けてもらいたい”との想いで、サラサラで艶々の最高品質のギャッベを中心にセレクト・展示をしております。
厳しい遊牧生活の中で伝えられてきた伝統の織物、アートギャッベの色は大地の色、空の色、水の色。家族を大切にする想いと、幸せへの願いがつまった彩り豊かな絨毯です。伝統の技術と文化を継承してゆくため、2010年にギャッベを織るファールス州の技術はユネスコの無形文化遺産に登録されています。